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  • 《西瓜》
    浜口陽三(1909-)
    1981年
    メゾチント/紙
    23.6x54.6cm

    浜口はカラーメゾチントの作品で有名である。西欧に伝わるメゾチントの技法は一次廃れたが、20世紀になって長谷川潔によって復活した。その技法をさらに進めカラーメゾチントを捜索したのは浜口であった。彼の作品の多くはぶどう、胡桃、白菜、西瓜、アスパラガスなどを対象とした静物画である。広い余白を残した単純な構図の中に、園対象の量感を余すことなく伝えるその表現は浜口の技法ならではのものである。黒の微妙な色調を生かしたモノクロームの作品にも秀作は多いが、カラーの作品はその技法と独自の色使いから他に例を見ないものである。本作品の場合、極端に横長の構図の中に鮮やかな赤で西瓜の一切れを描き出し、中に種の黒をリズミカルに散らしポイントとしている。彼のほかの作品、例えば広い画面の中に胡桃を一つ浮かび上がらせた作品などは象徴的な雰囲気を持ち、物の存在することの不思議さをわれわれに感じさせる。

  • 《白の幻想(1)》
    萩原英雄
    1962年
    木版/紙
    85.2x59.5cm

    本作は、裏刷りをし、色を重ねた画面は版画とは思えない重厚な色合いをもっている。萩原は日本の伝統的な版画の刷りを学んだことから数々の工夫を重ねてその作品を作り上げている。1960年からの作品は色彩が美しく、作家が学生時代に専攻した油彩の感触を感じさせる、画面上に残るバレンのすり跡も一定の効果を上げている。木版の面での形態の構成を生かしてその上に顔料やすりで工夫を凝らし、従来の版画作品に見られなかった版画作品を作り上げている。その意味で木版画を現代に蘇らせた作家といえよう。作家の版画家へのスタートは40歳からと遅かったが、1960年の第二回東京国際版画ビエンナーレ展での受賞を皮切りとして、数々の国際的な版画ビエンナーレで受賞して版画家としての地位を確立した。

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